金亀の生い立ち

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千有余年の歴史を持つ井山宝福寺は、臨済宗東福寺派の中本山として栄え、雪舟等楊禅師が小僧時代に修行した寺でもあります。

お務めも事とせず、師僧の怒りに触れて本山の柱に縛られ、あまりの悲しさに、落ちる涙を足の親指につけて、板敷に鼠の絵を描いたという話は有名です。

金亀の初代天峰和男は、当時の宝福寺83代目住職「天峰雪岩」の長男として生まれ、幼いころより寺で暮らしておりました。

次期住職「忘路庵老師」の代で、修行僧の食事や仏・祖師への供膳を司る禅宗寺院の役職である「典座(てんぞ)」という、今で言うお寺の台所を任され、お参りの方々にも精進料理をふるまっておりましたが、寺が僧堂になり修行を目的とされない方の出入りが出来なくなったのを機に、境内の金亀嶺へ独立。

その際、「忘路庵老師」に屋号を「金亀」と名付けて頂き、一九七三年に創業いたしました。自然が育んだ四季折々の天峰の恵みと、代々受け継いできた伝統の心と技。

これらの善を尽くした、金亀ならではの御膳をどうぞお楽しみ下さい。精進料理金亀は、画聖雪舟ゆかりの寺「宝福禅寺」境内にございます。

金亀のごえん

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「えん」という字は様々ありそれぞれに大切な意味がこめられています。

・園とは施設や学校などひとくぎりした場であり、人が集まる場。
・宴とは安楽して落ちついた気分で楽しむこと。
・援とは手を差しのべて助ける・救うこと。
・円とはかけたところのない、過不足なく十分なこと。
・縁とは人と人を結びつけるめぐりあわせ・つながりです。

金亀ではこの5つの「えん」を大切に、お客様、生産者様など少しでもかかわりのある方々とごえん(縁・円・援・宴・園)をつなげることで地域へその循環が拡がるよう精進しております。

精進料理とは

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そもそも精進料理とは僧侶が修行にはげむ身体をつくるため、供養や布施として野菜、豆類、穀類、海藻、芋、手頃な旬の素材を生かして工夫して調理したものです。
与えられた食材を最大限に生かして食材に対する敬意と感謝の念を忘れず食材のいのちを生かすように調理するのです。
金亀は精進料理によってお客様に食材に対する興味や大切さを伝えていき、より食事を楽しんで頂けるよう心がけています。

堅苦しさのない「精進料理」

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寺では食事中の会話はできない。飲酒もできない。等、精進料理に堅苦しいイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、当店は寺ではございません。
ですから、もちろん 飲酒もOK。楽しい会話に花を咲かせながら、気軽にお食事をお楽しみください。
また当店は、寺では禁止されている薫(葱等)等を使用するなど、少し解釈を広げ、伝統的な精進料理に加え、現代風の精進料理も取り入れております。